葉書部の俳句|Haikus written by the Postcard Dept.

※準備中

黄梅やただそっと咲きそっと散る

春の宵紅いギターの若い音

ガンジーの下手なスキップ春の雪

春の宵なお読み耽る雲図鑑

カップ酒ボンドガールの花衣

花衣やや甘すぎる卵焼き

初硯若く賢いチャレンジド

氷嚢とアップルジュース流行風邪

凍雲や老いた養蜂家の右手

初冬のママの形見のスマホかな

酉の市いなせな祖父と同じ髭

路地裏のカレーの香り冬の星

天使祭偽マーシャルの黒光り

青北風のテンションノート揺れる窓

飴色のフォークギターや秋の昼

岩陰を走る犬の尾律の風

ままならぬ足の運びや運動会

上り坂白風そよと額打つ

風死すや麻に似せたサンダルさえ

肩の肌色やジリリと灼く日差し

縁石に空蝉の影あまたあり

シャツの襟ちょっと乱れて汗滲む

深き闇にさえ名もなき緑かな

アロハシャツ着た壮年の絵文字かな

欠けた爪弦の音濁るアロハシャツ

春の暮パンツ流れる用水路

風光る黒髪掛けた白い耳

アルデンテ菜の花散らす昼下がり

春の闇致死量思いながら飲む

花冷えや暮らしは凪の向こう側

冴返る即席麺をすする母

春筍の手書きのレシピ母の味

氷上のギターの音色銅メダル

青白く並ぶ凹凸眠る山

動き止むゼンマイ駆動冬の空

ハンデさえ寿ぐ調べ初句会

冬の夜とにかく今は眠るのだ

寒晴や洗濯物の肌ざわり

からつ風旬の過ぎたる週刊誌

母の手の思わぬ温度冬の朝

風纏い緑をゆらす雪の花

曇天に朱ぽたぽたと信濃柿

安曇野にゴッホの構図星月夜

時が積むボーダー柄や眠る山

襟刳の妻なきゆるみ秋の暮

甘やかなフォルヒの余韻秋の昼

吹かれ散る金色の種秋深し

秋の昼意外に長い黒子の毛

故郷想う最前線の雲の峰

飲みかけのピカソの洋酒秋の暮

雲の峰アフリカゾウの肌ざわり

日焼せぬ肌際立たす濃い緑

アムールのトラやヒョウなど半ズボン

匿名の毒づく寓話冬の風

旅先の洒落た雑貨屋秋日和

末の秋白けずにあるアルバムよ

ハンバートハンバート鳴る草泊

流行る本揃えて籠る秋の宿

香香の正しい姿勢こどもの日

秋時雨沁みて色づく靴の先

出したての布団の温度そぞろ寒

菜の花のはつらつたるや目のやり場

秋高し開放弦のずれた音

星の輪がバウムクーヘン半ズボン

海の日の君の履き方コンバース

猫の子らどれも同んなじ背の丸み

手のひらに陶の彫刻秋の昼

春日傘のびる貴方のはなの下

秋祭帰れば部屋にただ一人

そぞろ寒石膏像の粗い肌

ほの甘い若い燕の左側

秋日和弦交換の軋む音

彫像と視線が合わぬ秋日和

秋深しブルーノートが落とす影

秋彼岸黒い墓石の深い陰

九月場所合わぬラジオのチューニング

寒弾やきちりと軋む弦の音

宵闇に刻々染まる日時計よ

インク尽き夜長に急ぐ文具店

読み進み小さき我を思う秋

秋のセル羽織りテレビに映る君

宵闇に響くコードや独りきり

かろやかにおんぷがならぶ居待月

宵闇の戸締まりに風リーリリリ

星野源希少な券ぞ秋の声

留守中の二階に溜まる秋湿

弦押さえる手不器用な秋夕焼

不器用にコードを刻む秋夕焼

秋時雨洗い流さん潮の痕

凍蝶や空気読めぬと騙しけり

喧騒に梟の声弦の音

秋の服濡れる雨避けポストまで

テント並び夜露に濡れる夏の朝

流行る本避けて手に取る初暦

プラチナのライブチケット夜長かな

スピッツ流れる早過ぎる儀夜寒

草泊ナイロン弦の弾ける音

夜学校ブルーグレーの細い文字

爽やかなギターの香り削る音

群青に濃く刷りたての雲の峰

秋されやエレキギターの黒光り

風纏う秋され君の低き声

夏の空メトロノームの音響く

残り香で気づく来客盆休み

野にたてば君染めし布風薫る

年始我が名を綴る君の文字

街中も静まる午後の溽暑かな

猫が飲む水の音涼し清和の気

肌寒や響く異国の弦楽器

冬ざれや誤字多すぎるプロの文

鮮やかな肩の肌色灼く日差し

君去りし夜長に響くモータウン

眼前の染めた巻き髪汗隠す

籐籠に豆腐三丁夏の夕

君想い異国の文字を綴る避暑

黒き髪に乗る麦わら夏の夕

スピッツの響く早き儀秋の暮

夏負けやあおる黄色い毒の水

気の抜けたミルク嵩張る梅雨曇

歯科助手が削る音涼し清和かな

先生の奏でる暑き異国の音

初秋や足元に蝉の亡骸

濡れそぼる暑気の合間の雨模様

初秋や溶けかけ氷菓子急ぐ

玄関の前を横切る蜻蛉かな

夏の朝新聞に無き我が句なり

油虫氷に埋もれ命絶つ

沸きたてのお茶さえ涼し溽暑かな

夏負けや午睡を誘う冷房機

画素並ぶ平面睨む清和の気

氷揺れ異国の飲み物梅雨明

横書きできちんと並ぶ暑気の感

溽暑構わずそわそわとアカシジア

画素映す色彩涼を運ぶ初夏

Pythonが画素に詠みこむ夏蛙

画素に込め異国に放つ暑気の感

夏の朝ひねれば運ぶ赤い箱

映されし滝のごときに君想う

羽織るかを出がけに迷う秋の朝

冴ゆる朝今なお明けぬ夜胸に

凍つる月ラストオーダー告ぐ別れ

閑散と涼めど過ぎし梅雨列車

いなさ受け中華ちまきをふくふくと

はるか夏歩む君の手かたわらに

また増えし目方を示す盛夏かな

孤独にもたえるかと問う夏の夕

腹の汗痩せる決意を繰り返す

煩悶を密かに吐する酷暑かな

ふきのとう春の訪れ知らせふく